情シスが無能と感じたら、真っ先に確認するべき部門長の2つのこと
これまで3つの会社の一般的に「無能」と言われている情シスを立て直しました。なぜ無能になったのか?それは情シス責任者のマネジメントに起因するものが圧倒的に多いです。そして、デジタル・ITを知っているけど仕事ができない人が情シスの責任者になったときに情シスは無能化します。
本来は、「デジタル・ITをしっている」「仕事ができる」の2つを満たす人が情シス責任者になるべきです。しかし、情シスという組織の特性なのか、多くの会社がそもそも仕事ができない人を責任者にしているケースを目にします。
これが「情シス無能だな」と感じた際に真っ先に確認する2つのこと。それは、情シスの責任者が「デジタル・ITをしっているか?」「仕事ができるか?」です。
※本記事は、情シスを4つのタイプに分けたこちらの記事の「偽組織型」の説明となります。
デジタル・ITを知らない人がトップになるケースはあるか?
もしかしたら、そんなことないと思われる方もいるかもしれませんが、デジタル・ITを知らずに責任者になるというケースは多いんです。理由は、専門性が高い領域になるので本当に知っているかどうかをしっかり判断できる人が社内にいないということ。
社内からの登用であれば、専門性が本当にあるかはわからないけど、人柄や仕事の進め方という評価から責任者になるというケースは多々あります。
問題は外部から登用する場合で、多くの会社で失敗しています。よくまぁ、こんなデジタル・IT知らないヤブCIOをそんな高給で採用したなと思うこと多々ありです。実際、部門長クラスの面接をしていて、ITパスポートレベルすら知らない人います。
仕事ができない人がトップになるケースはあるか?
会社によっては、情シスがとても弱い立場だったり、配属先がない人たちの集まりだったりする場合があります。情シスが雑用係となっている組織もよく見かけます。この流れで、これまで長く頑張ってくれたからという感じで責任者になるケース。共通して言えるのは、会社として情シスにあまり力を入れていない場合です。
圧倒的に難しいのが、外部から登用する場合。多少口がうまければ、あとは専門用語を並べればそれっぽく聞こえるんですね。面接でも会話になっていないのに、会話が成り立っているような錯覚に陥ることも多い。また、プロジェクトがやったことをあたかも自分のことのように説明すれば、わからない人はすごいと思ってしまうものです。
有能と無能の境目、情シス責任者の4つのタイプ
2つの要素を縦軸・横軸におくと、次のようなマトリクスになります。組織を無能にする情シス責任者は「D」です。「C」と思われがちですが、違います。
パターンA
現実にはレアキャラ。説明するまでもなく、一番良いケースなので説明は飛ばします。
パターンB
会社の人事がちゃんとしていれば、あたりまえに仕事ができる人を責任者にしますので、パターンBになります。デジタル・ITに詳しくなるためには一定量の時間と経験がどうしても必要ですが、幸いなことに世の中にはそれらを補ってくれる方々(コンサル・ベンダーの営業など)がたくさんいます。
技術的な部分はその人たちに任せて、デジタル・ITを手段として割り切ることによって、あとはビジネスでの当たり前の判断ができれば変なことにはなりません。仮に変な方向に進んだとして、それは経験として確実に積み上がります。なぜなら仕事がそもそもできる方が意思決定しているわけですから。
そして、優秀なデジタル・ITに詳しいメンバーが1名でも入ると、飛躍的に組織としてのパフォーマンスが上がります。
パターンC
仕事できない、デジタル・ITにも詳しくない。つまり、あまり期待されてないけどパソコンの調達や契約などの作業はある。要は変に新しいことをやるといったことが期待されず、会社としてあまり重要視されていない場合がパターンCになります。
人がよいおじさんが担当していたりして、これはこれでありです。
パターンCでも最悪な人はいますが、それはその人の性格の問題であって、AでもBでもやな奴はいます。
パターンD
パターンDはそもそも仕事ができないんです。でも、デジタル・ITは詳しいんです。いや、正確に説明するならば、自分の興味がある領域において、偏った知識を持っていて、その部分だけ詳しいということ。
仕事ができないので、「知らないことがある」ということに気がついてない。一方でその知らない領域でも、100回のうち、1回くらいは的を得た説明をすることがある。これがやっかい。
さらに話をややこしくするのが、結構な確率で自信とやる気だけはあったりする人が多い。その迷惑な自信とやる気と偏った(と気がついていない)自分の知見を総動員し、コンサルやベンダーの説明を都合よく解釈して、思い込み・勘違い・情報不足に気が付かず意思決定をする。
仮に失敗したとして、こういった人たちがどう対処するか、容易に想像できると思います。部下は地獄です。
無能な情シス責任者を選ばないために、どうするべきか?
ここでは、社内での登用ではなく、社外からの登用のケースを考えます。無能な情シス責任者を採用して情シスを無能化しないためには、デジタル・IT用語に惑わされず、ビジネスパーソンとして仕事ができるかどうかをしっかりと見るということです。これで最低限パターンBは担保できます。
今後、デジタル施策に力を入れようとしているのであれば、そこにはおおきなお金がうごきます。決裁をとるためには、決裁権をもった人たちに理解をしてもらう必要があるわけです。
決裁のたびに、みんながわからないデジタル・IT用語を並べられたところで、会社として適切な意思決定はできません。専門用語をできるだけ使わず、意思決定可能な説明ができることが最低条件です。パターンAを狙うのであれば、信頼がおける第3者にチェックしてもらうしかありませんが、正直いって難易度が高いです。
外部からの採用は慎重に。
情シスの組織運営を知りたい方はこちらからどうぞ