情シスで仕事の進め方が上手い人と下手な人の明確な2つの違い
情シスで10年以上働いています。私はIT業界にいましたのでITの知識はある方です。情シスという組織で働いていると、ITの知識がなくてもしっかりと成果を残す方が必ずいます。
とても気になり、ある時期それらを分析しました。結果、分かったことがあります。ITの知識に関係なく、情シスで仕事をうまく進められる人とそうでない人の間には、「仕事の認識」と「取り組み方」が大きく違うことがわかりました。
【仕事の認識】多くの人が自己満足か勘違いをしている
情シスは会話をする関係者が、事業部や経営層・エンドユーザーと多岐にわたります。ベンダーとの会話と違い、IT用語もそのまま使えません。一方で、業務で使っている用語がばんばん飛び交います。
この、縦にも横にも会話をする範囲が広いという特徴は、他の組織にはない面白さではあるのですが、コミュニケーションコストが高いのは事実です。情シスの役割を考えると当たり前のことなのですが、「さまざまなひとと会話をする必要がある」という基本的なこと理解していない人が多い。
「周りは情シスをわかってくれない」とか他責にするようなコメントをサイト等でちらほらみますが、この発想の人は仕事をうまく進めることができないです。そして、必ずと言っていいほど、次のどれかの考えを持っています。
- 仕事が完成したと判断するのは自分と思っている
- 仕事の完成の意味は「100%」と思っている
- 自分の仕事が終わったら、全てが終わりと思っている
❶仕事が完成したと判断するのは自分と思っている
完成したかどうかを判断するのは自分ではないです。仕事の依頼者です。これを理解していない人は、修正ややり直しといった状況になると不機嫌になったり落ち込んだりする傾向があります。
この裏には、「自分は完璧にやった・頑張った」という思いがあるからですね。判断は他人、やり直しは必ずあると思っていれば楽なんですが、残念なことにこういった姿勢をとることが難しい人が多いです。よく言えば真面目なんでしょうが、真面目度合いと仕事ができることは比例しません。
❷仕事の完成の意味は「100%」だと思っている
そもそも100%なんてないです。なぜか?人の物事の見方、こだわり、重要視するポイントは人の数だけあります。
相手の考えていることと、全く同じ考え・モノの見方はできないのです。つまり、100%は百人いたら百通りあるということ。それを目指すのは不可能。そう考えると、仕事の完成度は、合格ラインを超えているかどうかだけなんです。
さらにいうと、時間の経過とともに外部要因や大人の事情で、ゴールや合格基準が変わったりします。仕事を依頼された瞬間から、その依頼された内容は変わる可能性があると思っていた方が、精神的に良いです。
❸自分の仕事が終わったら、全てが終わりと思っている
あなたがやった仕事のアウトプットを使って、誰かが仕事をします。これを全くもって理解していない。自分の仕事が終わったら全部終わりだと思っている。
こういった人は、期限は守らないし、仕事の質も低い傾向あります。そしてやることやってないのに、僕・私はこんだけ頑張ったというプロセスを主張することが多いです。一般的にそれを「言い訳」といいます。
【取り組み方】上手い人と下手な人の違い
必ず押さえておくべきこと。仕事には必ず期限があります。もし期限がないなら、仕事とはいいません。もし明確な期限はないけど意識しているとするならば、それは単に「気にしているだけ」と言います。
時間軸を横。そして、合格ラインまでの仕事の達成度を縦に取ります。繰り返しますが、目指すのは100%の完成ではなく、合格ライン到達です。その合格ラインを判断するのは、仕事を依頼した人です。早く合格ラインに達することができれば、「仕事の進め方が上手い」となります。
合格ラインまでのケースは3パターン。仕事の進め方が上手い人はパターンA。下手な人はパターンC。パターンBは定常業務とか時間の経過とともに確実に達成度が積み上がるものです。今回説明は省きます。
上手い人の特徴
一つ目は、進め方として「全体」→「詳細」のアプローチをとること。二つ目は、「全体」を早い段階で仕事の依頼者に確認することです。
全体を早い段階で確認できれば、あとは細かいところを埋めていく作業になります。自分の理解が不十分ケースとというのはよくあります。
また、進めていくうちに確認しなければならないことは必ず出てきます。なにより、もしかしたら合格ライン自体が変わっている可能性があります。早く確認しておいて、悪いことはひとつもないです。
下手な人の特徴
平たくいうと、すぐ手をつけるというやつ。もちろん、このやり方は時と場合によっては効果があります。
しかし、仕事の特性を考えてないと、次に待っているのは修正と時間切れ。多くの場合は、修正自体もあまり考えずやってたりします。修正箇所のやり直しといったことが一定数繰り返すと、自分でもなにをどう直したのかわからなくなるというのが大体のパターンです。
この取り組み方をとる方は、期限ぎりぎりになって仕事の依頼者や上司に相談することが多く、そしてそのほとんどが「間に合わない」という状況に陥ります。期限より前に相談があればまだ良い方で、期限当日・期限後に報告があるという最悪の状況になることがほとんど。
言いにくくなるんですね。気持ちはわかりますがだめです。
上手い人の特徴をマネてもできないケース
全体から詳細のアプローチをとっている。全体のレビューも早くやってもらっている。でもうまくいかないという方がいます。
そのケースで考えられるのは、「全体」の整理ができていないケース。いままでパターンCのやり方をしてきた人が、いきなり「全体像」を整理するのはかなりハードル高いです。
なぜなら、全体像を抑えるためには、目的・背景をしっかり押さえ、論点を明確にし、「何に対して答えを出さなければならないか」を考えなければならないからです。
目先のこと、言われたこと、気になることに手を付ける仕事の進め方と考え方が全然ちがうんです。おそらくこれを乗り越えられるかどうかは、情シスのプロとして、より大きい仕事を任せられるかの一つの壁だと考えています。
最後に、まれに早い段階で確認やレビューをしにいって煙たがられることがあります。これは、依頼者自身があまり理解していなかったり、あなたにそもそも仕事丸投げしたい場合です。その際は、別のやり方を考える必要があります。ご注意を。
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