情シスの仕事内容とは?IPAの公式資料から5つの担当に分類【徹底解説】

情シスの仕事内容とは?IPAの公式資料から5つの担当に分類【徹底解説】

情シスの仕事内容とは?IPAの公式資料から5つの担当に分類

情シスというのは事業を行っている会社の「システム・IT」を担当する組織です。よって、情シスの業務・仕事内容というのは会社に依存するため、「これだ」と明確に説明するのが難しいという背景があります。

そこにひきづられ、情シスで働く人の業務・仕事内容もそれぞれの会社の情シスの組織に依存します。

ここでは、情シスで働く人の仕事を網羅的に整理するため、IPAUISSを活用しました。結果、情シスで働く人の業務・仕事内容は5つ(小さい会社では3つ)で説明がつくことががわかりました。

【部門長
全体をまとめ意思決定をする

【企画担当】
事業上の課題を解決する

【開発・保守担当】
システムを維持・改善する

【ヘルプデスク担当】
問い合わせに対応する

【インフラ担当
会社・事業をITで支える

UISSからどのようにこの5つの担当を導き出したのかを整理したのが次の絵です。UISSの定義では、人物像が13とされています。これだと極端な話、情シスに13人必要となり、あまりに多く現実的ではない。

一方で整理・集約するときに、会社規模を考慮をしないと、大きい会社と小さい会社では、情シスの仕事・業務があまりに違いすぎる。よって、「大きい会社」と「小さい会社」の2つで整理しています。

※情シスの組織としての仕事・業務内容を知りたい方はこちら

大きい会社の情シスの担当は5つ

順を追って説明します。

【A】部門長

CIOとか部長とかリーダーとか呼び名はいろいろですが、要は部門長です。

部がない組織の場合は、管掌する最高意思決定者として読み替えてください。チームをまとめ、さまざまな意思決定をしたり、IT戦略を描いたりします。どんなタイプの人がこのポジションにつくかによって、組織の方向性が決まります。

(興味がある方はこちらでどうぞ)

【B】企画担当

事業部と会話をして、ITを使っての事業上の課題解決をします。プロジェクトの企画・立ち上げ、プロジェクトが承認された後は、プロジェクトを完遂させ、定常業務化させます。

プロジェクトマネジメントやシステムの知識はもちろんですが、事業部と会話をしますので業務を積極的に理解することが求められます。プロジェクトの立ち上げでは、投資対効果や回収計画といった知識も必要です。

イメージしやすい資格が、ITコーディネーターとかIIBAのビジネスアナリスト。事業会社に転職を希望される方で「事業の課題をITで解決したい」という方は企画担当です。注意は、多くの募集要項が「開発・保守担当」とごっちゃになっていること。

自身のスキル・経験を活かして直接的にビジネスの課題を解決するというのは、おおきな醍醐味。自身の企画により、事業でちゃんと成果が出たときはたまらんです。

【C】開発・保守担当

多くの人にとってイメージされているのがこれ。なぜなら、現実的にプロジェクトがどんどん企画・立ち上がることは稀。

結果として、既にあるシステムの維持や改善案件がほとんどです。多くの企業の情シスでは、保守や改善要望の案件をこなしながら、稀に新規プロジェクトが立ち上がったときにシステム担当として呼ばれるというのがほとんど。つまり、「開発・保守担当」がたまに「企画担当」をやるという感じです。

改善案件が中心になりますので、事業部からのリクエストも個別具体的であり案件規模は小粒になる傾向があります。

SEとして働いたことがある方はこれまでやってきた経験が即戦力として十分活かせます。社内SEと呼ばれるのもこの辺りからきています。事業会社に転職を希望される方の理由でいちばん多い「ユーザーにもっと近い距離で」という働き方が開発・保守担当です。

【D】ヘルプデスク担当

エンドユーザーからの情シスへの日々の問い合わせは非常に多いです。内容はさまざまですが、どの会社でも多いのが「パスワード忘れました」。

こういった日々発生するさまざまな問合せに対応します。コミュニケーション能力が求められるのはいうまでもないですが、ITに詳しくないエンドユーザーの説明から何が原因かを想像しながら解決するという能力が求められます。

解決したら「ありがとう」という言葉が直接聞けるのがヘルプデスク担当のひとつの面白さ。企業規模が大きくなったり、土日や夜間でもサービスを提供している事業を行なっている企業の場合は、24時間365日対応するために、アウトソーシングする傾向があります。

【E】インフラ担当

「保守・開発担当」はソフトウェア・アプリケーション領域の担当であり、こちらはインフラ、つまりハードウェア系。ネットワーク・サーバーなどを丸っと任せられ、設計・構築・運用・監視と幅広く担当するので、全体を俯瞰して、会社の事業を支えることを直接的に行います。

会社の生産性が上がったり下がったりするのは、インフラ担当がIT技術をいかに駆使するかにかかってます。最近では在宅勤務が一般化になりつつありますが、在宅勤務が快適かそうでないかなどは良い例。

基本は縁の下の力持ちですが、こういったところに面白さを感じられると、エンドユーザーとの距離が一気に縮まり、楽しさ・面白さとモチベーション爆上がりします。仕事的に、セキュリティの知識が求められうこと多いです。

大きい会社の情シスの担当は3つ

情シスの担当を5つに分けて説明しましたが、日本においては中小企業がほとんどです。つまり、この5つの担当が存在しているかというと現実的に難しい。

その場合どうなるかというと、ひとりで全部を見る、もしくは「インフラ担当」とそれ以外全部を担当する「開発担当」という分け方をされることが多いです。


情シスという組織は、実際には働いてみなければわからないことが多いのは事実です。しかし、そこでやらなければならない仕事・業務はある程度決まっています。今回の整理は、IT業界から転職する方には頭に入りやすい形になっているかと思います。

情シスをより組織化したい方、情シスに転職を考えている方の参考になれば幸いです。

「情シス」を知りたい方はこちらからどうぞ