情シスの面接で失敗しないために、事前に整理するべき5項目
複数の企業の情シスで10年以上はたらいており、この間、週に少なくとも2回は中途採用の面接をしています。単純計算で週2で10年とするならば、960名の方とお会いしています。実際はもっと多いです。
採用側として、会社役員やメンバーなどさまざまな人と一緒に中途採用面接を行なっています。採用側が基本事項として聞きたいことは共通しており、それが次の5項目です。そして、この5項目が明確に答えられないと、面接官の誰かしらがNGを出す可能性が高いです。
- 「できること」と「やりたいこと」
- 「募集要項」と「企業情報」の情報整理
- 「転職理由」と「志望動機」
- 自分の強み
- 質問
これだけ面接をしていると、いろんな方をお会いします。かなりの頻度でこれら基本的な面接の準備ができていない方にお会いします。見てわかるとおり、これらは多くの方が学生時代に経験した就職活動のそれと同じです。
事前に整理するべき5項目の考え方・整理の仕方
この5項目はさらに分割すると、全部で8つの要素で構成されます。これらをしっかり考えていると、大抵の面接は乗り切れます。慣れないうちは大変ですがやればできます。ポイントは、これら8つには繋がりがあると言うことです。
❶「できること」と「やりたいこと」
中途採用は基本的に即戦力です。だからこそ、募集要項に対して自分ができることをしっかりと伝える必要があります。募集要項を全て満たすような人がいないことは採用側もわかっています。嘘つく必要はありません。
「できること」の説明がしっかりとできて、はじめて「やりたいこと」の説明ができます。たまにできることないのに、やりたいことばかりを熱弁される方がいるのですが、そんな方の夢を叶えられるほど会社は基本的に余裕はないです。
❷「募集要項」と「企業情報」の情報整理
限られた時間でこの2つの情報を整理するのは大変です。募集要項が適当だったり会社の情報があまりオープンになっていない場合もあります。
じゃあどうするか?「募集要項」「企業情報」について、それぞれ自分の言葉で3つのキーワードにまとめるという作業をしてみましょう。重要なのは、なんとなくのイメージではなく、多少強引でも明確な言葉にすると言うことです。
募集要項であれば企業が欲しい人物像がイメージつくようなキーワード、受けようとする企業であればその企業の自分なりのイメージが表現できるキーワードにするのです。
これをやるメリットは3つ。
一つ目は、3つのキーワードにするために、結果的に全体を理解することにつながると言うこと。人間、目的・アウトプットもなく情報を読むと言うのは辛いものです。
二つ目は、このキーワードは面接での志望動機などで自分の言葉としてそのまま使えます。
三つ目は、仮に理解が間違っていたとして面接の中で「質問」というかたちで理解を深めることができます。
※「企業情報」の整理について深掘りしたい方はこちらをどうぞ。
❸「転職理由」と「志望動機」
人生いろいろあります。今の会社が嫌になって転職を考える人がほとんどじゃないかと思います。しかし、その理由をそのまま転職理由にしてはいけません。
ネガティブなことは基本的に面接では好まれません。同じ理由でまたやめるんだろうなと思われます。コップに水が半分入っています。これを「まだ半分」と見るか、「もう半分」と見るか。同じものを見ても、表現はいろいろとできるはずです。
「志望動機」は以下のように整理して考えるのがおすすめです。また、自分のできることが募集要項になくても、企業のやっていることから見た場合に、将来貢献できることがある可能性もあります。
- 「即戦力」として、「募集要項」と「できること」のマッチ度は高いか?
- 「将来の可能性」として、「募集要項」と「やりたいこと」の方向性があっているか?
- 「将来の可能性」として、「企業のやっていること」と「やりたいこと」の方向性があっているか?
❹自分の強み
当たり前のように思うかもしれないですが、案外答えられない人多いです。「強みを一つだけあげるとしたらなんですか?」と言う質問をすると、モゴモゴする人多いです。
面接時間は短いですから、バシッと言えるようにしておきたいです。できること・やりたいことと全く関係ないことも避けましょう。面接官からすると悪いサプライズです。余裕があれば次の二つを取り入れてみましょう。
- その強みは、あなたの「できること」と関連があるか?
- その強みは、あなたの「やりたいこと」と関連があるか?
❺質問
「質問」はあなたの熱意を伝える絶好のチャンスです。できれば、二つを意識したい。
- 「できること」に関連した質問であること
- 「やりたいこと」に関連した質問であること
たまに、やりたいこととして「事業の拡大」「業務改善」「売上への貢献」「DXの推進」などと言う割に、質問で「残業はどのくらいあるか?」「残業代はつくか?」「有給はとれるか?」といった質問をされる方がいます。
このケース、月に1度の頻度で出逢います。悪くはないですが、できればその声高々に伝えてくれた「やりたいこと」に関する質問だと、全体的に繋がりができてGoodです。
情シスの面接では、場合によっては特殊ケースがある
情シスの採用というのはちょっと特殊なように思います。私自身が転職活動の面接で実際に遭遇した記憶に残るケースを参考までに。全ては採用における企業側のITの知識が高くない場合に発生します。
一つ目は募集要項がまるで嘘のケース。面接で、募集要項と会話が全然異なる場合はあります。最悪なのは、なんとなく話はあってしまい、入社したら全然違ったという場合。私は一度経験済み、苦労しました。
二つ目は、ITに詳しくない面接官が出てくる可能性が高いということ。専門用語わからない、もしくは正しくない理解をしているので会話が難しい。一定の肩書きをもった方との面接で「DX」は難易度高めです。逆に、「IT=PC」といったケースもあり、PC関連の質問をされることも。私はPDFへの変換の質問をされました。
三つ目は、まれにITのスキル確認要員として、現場のエンジニアが出てくることがあります。好戦的・喧嘩腰な方だったりするとわざと重箱の隅をつつくような質問をしてくる可能性があります。私はこれに加え、日本人同士なのに言語が英語といった経験ありです。
面接の基本を見失わないように
面接は緊張を伴います。普段であれば「なんかおかしいぞ」と気が付くことも、慣れないうちは気がつかないこともあります。と言うことで注意点を。
一つ目は、いろんなサイトに想定質問例とか個別具体的に載っていたりしますが同じ質問が来ることはないです。一見、イメージしやすくとっつきやすいですがそれ見ての準備は意味ないです。幹の部分を整理しましょう。
二つ目は、採用は結論マッチングです。これを忘れないように。いくら優秀な人でもマッチしなければ落ちます。MBAをもっていてもプログラミングができなければ、プログラマーは落ちます。落ちたとして、それはマッチしなかっただけです。
三つ目は、準備しなくても受かるような企業はよっぽどの事情がなにかあるか、ブラック企業です。
面接の準備は時間がかかりますが、しかしやることは実は整理するとシンプルです。かけた時間だけ、合格の成功率はあがります。是非、やってみてください。
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