情シスの面接で気が付いてない人が多い
情シスでの採用面接をしていると、得意なこと・強みとして「コミュニケーション」をあげるひとがとても多いです。このこと自体は別に悪くもなんともないのですが、是非、ここで振り返りたい。仮に得意なこと・強みをコミュニケーションとするならば、そのコミュニケーション力を実際の面接でリアルタイムに見られますよということ。このことに気がついていない方がとても多いんです。気がついていないので、実際の面接で「相手の言うことをしっかりと理解してコミュニケーションとれるのが強みです」と言っておきながら、面接官の質問に対してちぐはぐな回答をするとった、言っていることとやっていることがその場で破綻している人が結構多いのです。
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面接でのよくあるNGパターン
コミュニケーションの定義がなかなか難しいですが、ここでは「情報の伝達だけではなく、相互理解・意思の疎通」と定義して話を進めます。とした場合、少なくとも面接官に「会話が成り立たない・意思疎通ができない」と思われると良い評価を得ることはできないわけです。だって、数あるスキルの中であえてコミュニケーションを得意なこと・強みとして推したわけですから。典型的なNGパターンは次の3つ
- 共通認識になってない用語を多用する
- 質問に答えない
- はなしが長い
❶共通認識になっていない用語を多用する
IT業界はとにかく専門用語が多いです。さらに、会社やプロジェクトでしか使われない独自の用語もあったりします。ITベンダーやソフトウェア会社の面接であれば、お互いにITの知識がある程度あるので、一定量は問題ないですが、事業会社の情報システム部だと、面接官がシステムとは関係ない部署の人が担当することがよくあります。そういった相手が持っているであろうITの知識レベルということにまで気をまわせない時点で、コミュニケーションが得意とは言えないです。
❷質問に答えない
質問に対して意図を理解して、的確に答えるということは最も基本とすること。しかし、これができない人が結構います。「これまで一番苦労した経験はなんですか?」という問いに対して、「こんなことがあると苦労すると思います」と説明される方がいるんですが、聞いているのは「過去のこと」なんです。どんなことで苦労するかという「未来のこと」ではありません。まずは聞かれたことに対して直球で答える。基本です。
❸はなしが長い
なんでもそうですが、はなしが長いのはNGです。これまで面接をしてきたなかで、自己紹介で1時間の面接で30分使われた方がいました。申し訳ないと思いつつも、そんな場合は途中から聞いてないです。相互理解・意思疎通なわけですから。
コミュニケーションを得意なものとする場合に気をつけたいこと
傾向として、プロジェクトマネジメントを得意としたいがそこまで経験も実績も知識もない。IT技術もそんなに自信がある方ではない。IT業界でのエンジニアはコミュニケーションがそもそも苦手な方が多いです。そういった人たちと自分との相対評価でちょっと自分は得意かもと感じられる方が、コミュニケーションを推してくることが多いです。残念なのは、コミュニケーションという定義をちゃんと理解せず、なんとなく使っているということ。
コミュニケーション推しをする場合、次の3点について確認してみてください。すべて自信を持って問題ないと言えるのであれば、それは「推し」で問題なしです。
- 「コミュニケーション」の定義を自分の言葉で説明できるか?
- 今の自分の周りではなく、世間一般と比べて、得意と言い切れるか?
- 面接中のやりとりを通して、コミュニケーションが得意であることを証明できるか?
もしかしたらプロジェクトマネジメントスキルの可能性かも?
よく話を聞いていると、実は得意なことはコミュニケーションではなく課題管理・進捗管理といったプロマネスキルだったりすることがよくあります。プロマネの領域は、世の中にたくさん本も出ていますし、考え方や具体的なやり方も載っています。おそらくですが、そういった勉強をしていないから、全部が全部コミュニケーションになっているんだろうなととらえています。
自己分析をして、プロマネスキルの可能性を探るのはお勧めですし、もしかしたら本当にプロジェクトマネージャーが自分のキャリアとして合っているかもしれません。そのためにもPMBOKを理解しておくのがベストですが、時間もかかりますし簡単にはいきません。はじめは世の中に出ているPMBOKのガイド本で十分です。私たちがぶつかるほとんど多くの問題・課題といったものは先人が整理して知識体系化してます。それを使わない手はないです。
最後にあらためて。コミュニケーションを得意・強みとした場合は、必ず面接中にあなたのコミュニケーションスキルがみられます。そのことを忘れずに。
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